SIGMA fp 購入・実写レビュー。衝撃的な小ささ・軽さ・写りの良さに、ただ脱帽。

僕は仕事でも趣味でもカメラをよく使うのですが、今回新たにまた趣味用のカメラを購入してしまいました。
どんなカメラかというと、巷では“変態カメラ”とも呼ばれている、ひと癖もふた癖もあるミラーレス一眼「SIGMA fp」です。
なぜこのカメラを購入したのか、「SIGMA fp」の魅力は何なのか、どんな人に向いているのか、この辺りを今回の記事で皆さんと共有できればと思います。
今SIGMA fpの購入を検討している方、他のメーカーからの乗り換えを検討されている方は、参考になれば幸いです。
- SIGMA fpとはどんなカメラなのか
- SIGMA fpの良いところ・悪いところ
- SIGMA fpの主な外観・スペック
- SIGMA fpの作例
- SIGMA fpを購入する際の注意点
- SIGMA fpが誰に向いているか
僕がこれまで使っていた主なカメラはこれ
今回SIGMA fpを新たに購入したわけですが、僕はこれまで以下のカメラを主に使っていました。仕事用と趣味用で現在いくつか使い分けをしています(あまり使ってないけど所有している、というカメラはもっとあります)。
- SONY α7Ⅲ
- SONY α7RⅡ
- SONY RX100M5
- SONY α6600
- FUJIFILM X-E3
- RICOH GRⅢx

特に中心となっているのはSONYのミラーレス一眼。オートフォーカスの性能が化け物なので、ミスの許されない仕事では非常に重宝しています。
SIGMA fpを購入した理由
こんな感じで色々とカメラは持っているんですけど、ではなぜ今回SIGMA fpを購入したのかというと、このカメラの「撮って出しの色に惚れてしまったから」です。
というのも、これまでよく使っていたSONYのカメラはAFも良いしコンパクトだし使いやすいんですが、ただ写真の色味についてはどうしても冷たい感じになったり、彩度がやや低かったりするんですよね。好みの問題もあるんでしょうけど。

個人的にはもっと撮っていてワクワクするような、そんな色味のカメラをがいい。そこで、せめて趣味のカメラくらいはワクワク感をもっと重視したいなと思って、新しいフルサイズミラーレス一眼を探し始めたんです。
そんな時にYouTubeを見ていたら、まきりなさんという方のSIGMA fpの動画を見つけて、「この色の質感、すごい!」と感動!
もう僕が探し求めていたワクワクを感じるカメラはこれしかない!と、半ば決めつける形でYouTubeを閉じ、すぐにマップカメラで購入してしまったのでした。
SIGMA fpって、こんなカメラ
そんなこんなで、SIGMA fpを勢いで購入してしまったわけですが、実際のところSIGMA fpのユーザーって、かなり少ないんですよね。
先日家電量販店の店員さんに聞いたんですけど、100人お客さんがいたら、SIGMA fpを買いに来る人は1人もいないんですって。少なすぎやろ。
SIGMA fpの特徴(主にスチール)
ただ、ユーザーが少ないのにも理由がありまして、冒頭でもチラッと触れた通り、SIGMA fpってなかなかの“変態カメラ”だからなんです。
変態と言われる主な理由(SIGMA fpの特徴)をまとめると、以下になります。
- ボディがとんでもなく小さくて軽い(フルサイズミラーレス一眼において世界最小・最軽量)
- (露出がハマった時の)撮って出しの写りがすごく良い
- カラートーンが豊富
- 色々と後からアクセサリーを追加できる
- めっちゃ手ブレする(ボディ内手ぶれ補正がない)
- ファインダーがない
- オートフォーカスが微妙(というか、結構迷う)
- 電子シャッターのみ
- 背面液晶がバリアングルどころかチルトもしない
- グリップしにくい
- バッテリーが全然持たない
- Wi-FiやBluetooth等の通信機能が一切ない
ね、なかなか変態でしょ笑。そう、とにかく「尖ったカメラ」なんです。
なぜこんなにも尖ったカメラになっているかというと、それは「撮ることの真ん中だけを凝縮したカメラ」(メーカー談)だから。
SIGMAの公式HPには「フルサイズを本当に日常づかいできるギアに」というキャッチフレーズも書かれていますが、撮ることの真ん中を凝縮することで、サイズ・重量は世界最小・最軽量を実現できたし、その分余計な機能はどんどん省かれていったということでしょうね。

引用:SIGMA公式HP
ミニマムでも使えるし、どんどんカスタマイズもできる
だからSIGMA fpをそのまま使えば、超ミニマムな状態で撮影ができるので、まさにポケッタブルなお気軽フルサイズミラーレス一眼。「軽いは、正義」を信条とする人にとっては最高のカメラになります。

でも、それだと「やっぱり使い勝手が悪い…」という人もいる。そんな時のために、SIGMA fpは色々とカスタマイズできるようにもなっているのが、また面白いところです。
必要ならファインダーなどの関連アクセサリーをどんどん付加していって、カスタマイズ最強装備の状態で使うこともできます。もちろんそうするとポケッタブルではなくなっちゃうけど。

引用:SIGMA公式HP
そういったある種の“二面性”を持っているカメラなので、「fp(フォルテッシモ・ピアニッシモ/とても強く、とても弱く)」と名付けられているらしい。
コンセプトがはっきりとしていて、それをうまくネーミングでも表現していますよね。SIGMA fpの特性を理解すればするほど、面白いカメラだなって感じてきます。
SIGMA fpの主なスペック
念のため、SIGMA fpのメーカー公表のスペックも下に載せておきます。他製品のカメラとのスペック比較をしたい方はご参考までにご覧ください。
ブランド | SIGMA |
タイプ | ミラーレス |
レンズマウント | ライカLマウント |
画素数 | 2530万画素(総画素) 2460万画素(有効画素) |
撮像素子 | フルサイズ(ベイヤーCMOS) |
感度 | 標準:ISO100~25600 拡張:ISO6、12、25、50、51200、102400 |
記録フォーマット | JPEG/RAW |
連写撮影 | 最高18コマ/秒 |
シャッタースピード | 電子:1/8000~30秒 |
液晶モニター | 3.15型(インチ)、210万ドット |
ローパスフィルターレス | ◯ |
撮影枚数 | 280枚(液晶モニター使用時) |
記録メディア | SDカード、SDHCカード、SDXCカード、外部SSD(USB3.0接続) |
スロット | シングル |
防塵防滴 | ◯ |
ボディ内手ぶれ補正 | × |
タッチパネル | ◯ |
内蔵フラッシュ | × |
背面液晶モニター | 可動しない |
USB充電 | ◯ |
RAW+JPEG同時記録 | 可能 |
バルブ | ◯ |
RAW | 12bit/14bit |
セルフタイマー | 10/2秒 |
インターフェース | USB3.1 Gen1 Type-C、HDMIマイクロ |
AFセンサー測距点 | 49点選択モード、自由移動モード |
カラーモード | 15種類(スタンダード、ビビッド、ニュートラル、ポートレート、風景、シネマ、ティールアンドオレンジ、サンセットレッド、フォレストグリーン、FOVクラシックブルー、FOVクラシックイエロー、モノクローム、OFF(切)、パウダーブルー、デュオトーン) |
4K対応 | ◯ |
動画記録画素数 | 4K(3840×2160) 29.97fps |
ファイル形式 | CinemaDNG/MOV |
映像圧縮方式 | H.264 |
音声記録方式 | リニアPCM (2ch 48kHz/16bit) |
Wi-Fi | × |
Bluetooth | × |
サイズ | 112.6×69.9×45.3mm |
重量 | 370g |
カラー | ブラック |
価格 | 店頭価格:18〜20万円前後(税込) |
SIGMA fpの外観・デザイン・サイズ感等を見てみる
ということで、先日マップカメラで購入したSIGMA fpが手元にあるので、外観・デザイン・サイズ感などチェックしていきます。
今回僕は中古で125,000円くらいで購入しました(ボディ単体)。最近は半導体不足の影響もあり、カメラ価格が上がっていますね。そもそも中古も出回っている数が減っている気がします。
驚くほどコンパクトなボディ
まず驚くべきはやはりボディのサイズです。“世界最小”という肩書きの通り、とにかく小さい。片手で握れてしまうほど。

このコンパクトさには、さすがに驚きました。フルサイズセンサーのカメラでこの小さとは。メインで使っているSONYのミラーレス一眼ですらかなりコンパクトなはずなんですが、比べ物にならないコンパクトさです。
ちなみにコンデジのSONY「RX100 M5」と並べてみたら、こんな感じになりました。もう一度言いますが、比較しているのは“コンデジ”ですよ、コンデジ。あんまり差がないじゃないか。

とにかく衝撃的な小ささ。コンパクトなカメラが好きな方は、これだけでもSIGMA fpに惹かれてしまうのではないでしょうか(←僕です)。
重量もフルサイズセンサーカメラとは思えない軽さ
そしてSIGMA fpのもう1つの肩書きである「世界最軽量」という一面については、こちらももちろんびっくりするくらい軽い。メーカー公表の重量は370gということで、本当にフルサイズセンサーを積んでいるとは思えません。

ただそれ以外の機能をかなり削ぎ落としているので、この軽さと利便性はトレードオフになっているはずですが、それでもこれだけ軽いと撮影ももっと楽しくなりそう。
ミニマルで洗練されたデザイン
続いて全体の外観・デザインをチェック。特徴としては超ミニマルで、無駄な装飾が一切ない。

形も四角いボックス型で、右手のグリップも完全になく、まさに「鉄の箱」といった感じ。
ボディの素材は「アルミニウムダイカスト」が使われているそうで、この独特の質感は他のカメラにはない特徴。ミニマルなデザインながら、少し無骨さも感じられ、男心をくすぐります。
ボタン類は少なく、シンプルな操作性
前述の通り「撮ることの真ん中だけを凝縮したカメラ」がSIGMA fp。そのため機能性はやや低め。ボタン類もかなり削ぎ落とされており、本当に必要最低限しかついていません。
軍監部は電源スイッチ、スチール・シネマ(動画)の切り替えスイッチ、録画ボタン、シャッターボタンのみ。清い。というか、使いづらいだろう。

ちなみに上の写真からも分かるとおり、手前の方に複数の穴が空いていますが、これは放熱用のヒートシンクの穴。
熱処理の対策はしっかりされているので、長時間の動画撮影でも高温の心配はありません。この辺りはよくできていますね。
あと背面側のボタン類はこんな感じになっていました。やっぱりかなりシンプル。

必要最低限のメニューボタンなどに加え、下部にSIGMA fpらしさが感じられる「トーンコントロール」や「カラーモード」のボタンが付いています。
特に僕はSIGMA fpのカラーに惹かれて今回購入したので、カラーモードのボタンにはお世話になることが多そう。
ユニークな形状のストラップホール
あとデザイン的に珍しいのがストラップホールの形状。一般的なカメラはシンプルなホールが付いているだけですが、SIGMA fpのストラップホールは可動式になっていて、ストラップを結ぶホール部分のパーツがくるくると回転します。

しかもこのホールは取り外しも可能なので、邪魔なら外しちゃってもOKだし、他のアクセサリーを付けるときも対応しやすい。なかなか面白い作りになっていますね。
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