【作例あり】七工匠 7Artisans 25mm F1.8の2年使用レビュー。エモくてレトロな描写を1万円以下で楽しむ。
今回は僕のお気に入りのレンズ「7Artisans 25mm F1.8」を長期使用レビューという形でご紹介したいと思います。
7Artisans(七工匠)という中国の光学メーカーから製造・販売されているこのレンズは、小型・軽量な単焦点レンズ。そしてまるでオールドレンズのような柔らかい描写が楽しめる1本です。価格もなんと1万円以下で買えちゃうから、コスパも抜群。
フレアやゴーストを出してみたり、ソフトな描写を楽しんでみたり。趣味としてカメラを楽しむのにとても面白いレンズだと思うので、オールドレンズのようなレトロ描写が好きな方にぜひおすすめしたい1本です。
- 7Artisans 25mm F1.8の特徴
- 7Artisans 25mm F1.8の外観・デザイン
- 7Artisans 25mm F1.8の使用感
- 7Artisans 25mm F1.8の作例
- 7Artisans 25mm F1.8が誰に向いているか
7Artisans(七工匠)とは
最初に、7Artisans(七工匠)というメーカーについて簡単に紹介しておきます。
7Artisans(七工匠)は、中国・深センにある光学機器メーカー。比較的安価ながら、味のある写りの交換レンズなどを製造・販売しています。創業は2015年で、数人の撮影愛好家たちによって設立されたのだとか。
引用:7Artisans(七工匠)公式HP
最近は中国メーカー製レンズも相当進化してきていて、その中でも7Artisans(七工匠)は実力・知名度ともにかなり高いですよね。カメラ好きな方なら知っている人も多いのではないでしょうか。
7Artisans 25mm F1.8 はこんなレンズはこんなレンズ
そんな7Artisans(七工匠)から販売されている「7Artisans 25mm F1.8」ですが、主な特徴、価格、スペックなどをまとめていきます。
主な特徴
「7Artisans 25mm F1.8」の主な特徴を簡単にまとめると、以下の点が挙げられます。
- 小型・軽量なAPS-Cセンサー用マニュアルフォーカスレンズ
- フルサイズ換算37.5mmの焦点距離で、スナップに使いやすい
- オールドレンズで撮ったような少し柔らかい描写が楽しめる
- 開放F値1.8の明るさ
- 最短撮影距離18cmで近接撮影にも強い
- アルミニウム合金素材を使用し、剛性も高い
- 1万円以下で購入可能というコスパの良さ
25mm(フルサイズ換算37.5mm)というスナップに使いやすい画角、ソフトでふんわりとした描写、近接撮影にも強いなど、日常を今までと違った雰囲気で気軽に切り取るのにピッタリなレンズ。特にオールドレンズ好きならハマること間違いなしでしょう笑
サイズ・重量
サイズと重量についても触れておくと、まず7Artisans 25mm F1.8のサイズはΦ60mm×37mm、フィルター径は46mmとなっています。まさに手のひらサイズ。
そして重量は約150gこの軽量さ・コンパクトさは嬉しいですね。
対応マウント
ちなみに7Artisans 25mm F1.8は複数のマウントでリリースされています(以下参照)。僕はFUJIFILMのXマウントのものを購入しましたが、他のメーカーのカメラでも楽しめるので、その点もありがたいところです。
- キヤノンEF-Mマウント
- ソニーE(APS-C)マウント
- フジフイルムXマウント
- マイクロフォーサーズマウント
価格
そしてさらに注目すべきは価格の安さ。定価はなんと9,900円と1万円を切っているんですよね。というより、実売価格としては新品で8,500円前後(2023年12月現在)で売られています。
写りの面白さ・携帯性の良さから考えれば、かなりコスパ的にも優れている。この価格なら「まぁ失敗してもいいや」くらいの気楽な気持ちで買えますよね笑。
その他仕様
念のため、7Artisans 25mm F1.8のメーカー公表の仕様を載せておきます。他メーカーのレンズと比較する際の参考になれば幸いです。
名称 | 7Artisans 25mm F1.8 |
対応撮像画面サイズ | APS-Cセンサー対応 |
対応マウント | キヤノンEFマウント、ソニーEマウント、Xマウント、マイクロフォーサーズ ※オリンパス OM-D E-M10 MarkIIIには装着不可 |
レンズタイプ | 単焦点 |
焦点距離(35mm換算) | 37.5mm |
レンズ構成 | 5群7枚 |
最小絞り値 | F16 |
開放絞り値 | F1.8 |
絞り羽 | 12枚 |
最短撮影距離 | 0.18m |
フォーカス | MF |
手ぶれ補正 | なし |
防塵防滴 | ー |
フィルター径 | 46mm |
最大径×長さ | 60×37mm |
重量 | 150g |
カラー | 2色(ブラック、シルバー) |
7Artisans 25mm F1.8 の外観・デザインレビュー
特徴等を整理した後は、「7Artisans 25mm F1.8」の全体の外観・デザインを見ていきます。
レンズ鏡筒
まずはレンズ鏡筒から。改めて手のひらに乗せてみると、こんなに小さい。このコンパクトさにはスナップ好きな人は惹かれますよね。
鏡筒の素材はアルミニウム合金が使われていて、ボディ全体が鈍く光っていてかっこいい。1万円以下で購入できるレンズとは思えないほど、高級感が漂っています。
レンズ手前に絞りリング、奥側にピントリングが付いています。デザインはシンプルで、全てホワイトのカラー。中華系メーカーらしい派手な赤などは使われていません。よき。
なお、コンパクトなレンズなので、側面には何もボタン類は付いていません。
レンズキャップ
レンズキャップはこんなデザイン。どうでしょう、好みの問題だとは思うんですが…個人的にはあんまりカッコ良いとは思わないかな笑。
フード
続いてフードを見ていきたい…ところですが、この7Artisans 25mm F1.8はフードは元々付いていなくて、メーカーも専用のものは販売していないみたい。
ということで、僕はAmazonで使えそうなフードを探して、別途購入して使っています(以下の画像のもの)。値段は1,000円くらいだったかな? まぁこういったお安いフードってどこまで効果があるのか正直わからないですけどね。
あと7Artisans 25mm F1.8はオールドレンズライクな一本ですし、フレアやゴーストをあえて出すのも楽しみ方の1つかと思うので、別にフードはなくてもいいかもしれませんが。僕は勢いで買ってしまいました笑。
前玉・後玉
最後に前玉・後玉をチェック。まず前玉はこんな感じ。F1.8の明るいレンズとは思えないほど、前玉は小さめ。これでよくこの明るさを実現できるなぁと、少し感心してしまう。
そして後玉側はこんな感じ。マウント手前からは少し奥まったところに後玉がありますね。
ちなみにマウント部分はプラスチックですかね。まぁお値段を考えればしょうがないところでしょう。
7Artisans 25mm F1.8の使用感レビュー
全体の外観・デザイン等のチェックの後は、実際に「7Artisans 25mm F1.8」を使った際の使用感をレビューをまとめていきます。
僕はFUJIFILM Xマウント用のものを2年ほど前に購入し、よくX-Pro2やX-E3につけて楽しんでいます。なのでその時の率直な感想などを以下に整理してみました。
なお、全体的にかなり個人的な主観も入っているので、その点はご容赦くださいませ。
装着感
まずは装着感から。僕がこの7Artisans 25mm F1.8を使うときに一番よく使用するカメラは「X-E3」なんですが、X-E3につけた時の装着感・見た目が個人的にめちゃくちゃ気に入っているんですよね。実際に装着した時の様子はこちら。
ね、めっちゃ似合うでしょ?笑 個人的にはFUJIFILMのどの純正レンズよりも似合ってるんじゃないかと思うくらいに、デザインがフィットしている気がしてます。
大きさ・素材感が本当にピッタリ。パンケーキレンズとまでは言えないものの、前への飛び出しも少なくて携帯性も抜群。
やっぱりコンパクトなレンズは、コンパクトなカメラボディに合います。またX-E3のデザインってどこかフィルムカメラっぽさがあるので、コンパクトでシンプルデザインのレンズをつけると、すごくオールド感が出て良い。
個人的にはこの見た目だけで「買ってよかった」と思っています笑。
ピントリング・絞りリング
次にピントリング・絞りリングですが、長く使っていて感じることは「少しトルク感が強いかな?」ということでしょうか。どちらのリングもスカスカな感じは全くなく、むしろ少し強めに力を入れないと回りません。
そのため簡単にピントがずれてしまう・絞りが変わってしまう、ということはないので安心ですが、この辺りは少し好みが分かれそうな気もします。
あと絞りリングに関してはクリック感もなく、ヌルッと回るタイプ。個人的にはカチカチッとクリック感がある方が好きですが、動画メインの人にとっては「ヌルヌルタイプの方が良い!」という人も多いでしょうかね。
シャープネス
ここからは写りについてですが、7Artisans 25mm F1.8のシャープネスに関しては正直カリカリな描写ではありません。むしろ絞り開放付近だと結構ソフト。
でもそれがこのレンズの面白いところで、オールドレンズライクな柔らかい絵作りが楽しめます。個人的にこのフワッとした感じは好き。
絞っていくとある程度このふんわり感も解消されていく気がしますが、ただそれでもめちゃくちゃシャープになるわけではないですね。なのでカリカリ描写を求める方にはあまり向いてないかもしれません。
ボケ感
ボケは結構滑らかで、ザワザワしている感じはそこまでありません。APS-CでもF1.8の明るさを活かした大きなボケを楽しめます。
特に後ボケが綺麗で、被写体と背景をしっかり分離してくれるので、写真の中の非現実感を楽しめます。
なお玉ボケに関しては真円とはいかないものの、比較的綺麗な形。ただ周辺に行くにつれて形が潰れたり欠けたりするので、まん丸玉ボケが好きな方はこの点はマイナスでしょうか。
接写性能
続いて接写性能ですが、このレンズはかなり寄れる。最短撮影距離18cmなので、被写体に相当近づいて大きく写すことができます。
テーブルフォトなどをよくする人には、この近接撮影に強い点も嬉しいポイントでしょうね。僕も嬉しい笑。
発色・コントラスト
オールドレンズライクな写りが楽しめる7Artisans 25mm F1.8ですから、絞り開放付近だとかなりコントラストの低下が見られます。何度も言うようですが「でも、それで良い」笑。
実際にF1.8で撮った写真が以下のものですが、大きくコントラストが低下していて、発色も鈍くなっています。でも、その分ふんわりとした柔らかな雰囲気が出ていて、日常とはひと味違う幻想的な感じが楽しい。
もちろんこの辺りは好みの問題ですが、純正レンズなどではなかなかこういった描写は得られないですもんね。ある意味でこれは7Artisans 25mm F1.8の武器の1つと言えます。
ちなみにF4くらいまで絞り込むと、かなりふんわり感はなくなってコントラストも戻ってきます。
逆光耐性
となると、ご想像の通りもちろん逆光にもこのレンズは弱めです笑。少し意地悪に光源を入れて撮ったなら、盛大にフレアやゴーストが現れます(以下の作例参照)。
「でも、それで良い」笑。こういったフレアなどを活かした撮影も楽しいですもんね。オールドレンズ好きな方には、この辺りも刺さるんじゃないかと思う。
なおこのフレア・ゴーストは絞っていくと多少改善しますが、完全になくなることはなさそうです。
周辺減光
さらにさらに、周辺減光も結構あります。ここまで読んでくださった方なら、これもご想像の通りでしょう笑。
下の画像の通り、絞り解放ではかなり四隅が落ちて暗くなります。絞っていくと段々と改善していきますが、F4あたりでもまだ少し周辺落ちが残っているかな?(写真上:F1.8(開放)、写真下:F4)
でも、これもこのレンズの味ですよね。特に僕は周辺減光が好きな人間なので、これくらい大歓迎です笑。
7Artisans 25mm F1.8の作例
最後に7Artisans 25mm F1.8を使って撮った作例を載せておきます。たいした作例じゃないけど。
カメラはX-E3、ホワイトバランスはオート、フィルムシミュレーションはASTIAとPRO Neg. Std、全てJPGの撮って出しです。ただWebに載せる関係上、データサイズを落とさないといけないのでリサイズは行っています。そのため画質が結構落ちているものもあるので、その点はご容赦ください。
今回は近所を散歩した時にスナップしてきたので、その時の作例です。
フルサイズ換算35mmで37.5mmの画角なので、すごくちょうど良いというか、ファインダーを覗いたときにしっくりきます。
純正レンズとは違った、どことなくレトロな描写。いつもとは違った雰囲気で切り取れるので、シャッターを切るのも楽しくなりますね。
特にふんわりとした柔らかな感じや周辺の落ち具合が個人的に心地良い。
改めてスナップの楽しさを感じさせてくれるレンズです。
使用感まとめ
以上が7Artisans 25mm F1.8の使用レビューでした。コンパクト・軽量で、描写がユニークで楽しい。オールドライクな写りが好きな人には結構ハマるんじゃないでしょうか。
僕は2年前にこのレンズを購入し、ちょこちょこスナップで楽しんでいるんですが、個人的にX-E3につけた時の見た目がとにかく好きなので、それだけで持ち出す機会がすごく多くなっています。本当に見た目がかっこいい、そこに尽きる笑。
お値段も1万円以下で買えますからね。気になる人は、とりあえず騙されたと思って購入してみてはいかが?笑
このレンズが向いている人・向いていない人
最後に改めて7Artisans 25mm F1.8の良いところ・悪いところを踏まえながら、「このレンズが向いている人・向いていない人」という視点で、以下に整理してみました。
- オールドレンズのような柔らかい描写が好きな人
- フレア・ゴースト遊びが好きな人
- コンパクト・軽量なレンズが好きな人
- シャープでカリカリな描写が好きな人
- マニュアル撮影が苦手な人
当ブログの中の人の感想
今回は「7Artisans 25mm F1.8」の使用レビューを綴りました。
シャープでキレの良い描写ももちろん良いですが、やっぱりふんわりとした柔らかい絵も時々欲しくなりますよね、カメラやってると。そんなときに7Artisans 25mm F1.8は結構おすすめです。
中華製レンズに対して「あまり信頼できない…」という人はまだちょこちょこ見受けられますが、僕は使い方によってはすごく面白い選択肢になると思っています。特にソフトな雰囲気を狙って撮りたい時とかは、逆に純正レンズだと撮って出しではなかなか難しいですからね。
オールドレンズも最近は価格高騰傾向なので、1万円以下で同じような柔らか描写が得られるなら、結構このレンズは面白いんじゃないかなと思います。
複数のマウントで販売されているので、FUJIFILMユーザーではない方も、ぜひ一度チェックしてみてください。
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