わかりにくいSDカードの種類・規格別の違いを詳細解説。用途別の選び方・おすすめSDカードも紹介します。

カメラ、オーディオプレイヤー、ゲーム機などを使用する際に必ず必要になるのが「SDカード」。僕もミラーレス一眼やICレコーダー用にこれまでたくさんのSDカードを購入・使用してきました。
でも、SDカードって色々と種類があって、「どれを選べば良いのかわからん!」って思った経験ってありませんか? 僕の周りの友人はみんな言っています笑。
そこで今回は、これまで仕事の関係でSDカードを累計50枚以上購入してきて自然と詳しくなってしまった筆者が、SDカード選び初心者さん向けに「SDカードの種類・違い・用途別の選び方のポイント」などをまとめてみることにしました。
おすすめのSDカードも併せてご紹介しているので、現在SDカード選びで迷っている方、新しくSDカードを購入予定の方などの参考になれば幸いです。
- SDカードの種類とそれぞれの違い
- SDカードに書かれていること
- 用途別のSDカードの選び方
- おすすめのSDカード
SDカードとは?
まず基本事項として、「SDカード」とは何ぞや?というところから触れておくと、SDカードとは簡単に言ってしまえば「デジタル機器で広く使われている記録メディア」のことです。

スマートフォンやデジタルカメラ、ゲーム機器などのデータを保存する際、SDカードを用いて記録します。
SDカードはサイズによってさらに以下のように種類が分かれます。
- SDカード
- MicroSDカード
SDカード
「SDカード」は幅24mm × 長さ32mmの記録メディアで、デジタルカメラ、PC、レコーダーなどに使われることが多いカードです。

カメラ愛好家にとって必需品となるアイテム。僕もこれまで趣味・仕事用で50枚以上使ってきました。
MicroSDカード
「MicroSDカード」は幅11mm × 長さ15mmの記録メディア。SDカードと比べるとおよそ1/3程度のサイズ感で、重さも約0.5g程度と超コンパクトなのが特徴です。

スマートフォン、タブレット、デジタルオーディオプレーヤー、ゲーム機、ドライブレコーダーなどで使われています。利用デバイスの幅が広いので、意外とMicroSDカードの方が使う!という人も多いかもしれませんね。
SDカードの規格の違い
さらにSDカード・MicroSDカードはそれぞれ規格が分かれており、それらはカードの最大記憶容量の違いによって以下のように定められています。
- 容量2GBまで:SDカード、MicroSDカード
- 容量4GB〜32GBまで:SDHCカード、MicroSDHCカード
- 容量32GB〜2TBまで:SDXCカード、MicroSDXCカード
- 容量2TB〜128TBまで:SDUCカード、MicroSDUCカード
一般的には総称として「SDカード」って呼ぶことが多いと思うんですけど、実は上記の通り容量の違いによって規格・呼称が違っているんですよね。なんとわかりづらいことか笑。
SDカードに書かれていることを解説
実際にSDカードの表面を見てみると、色々と表記されていることに気づくと思いますが、これがまた何を指しているのかわかりづらいので、結局「どれを選べば良いんだ…」ってなりやすいんですよね。
なので、今回はSDカードに書かれていることも1つ1つ解説してみたいと思います。初めてSDカードを買うという方は、ぜひ参考にしてみてください。
今回は僕が実際に所有している下の画像のSDカードをもとに、表記の説明をしていきます。
- カードの種類(規格)
- 容量
- スピードクラス
- UHSスピードクラス
- ビデオスピードクラス
- UHSの規格
- 最大転送速度
①カードの種類(規格)
ここに書かれているのはSDカードの「種類(規格)」です。前述のとおり、容量によって「SD」「SDHC」「SDXC」「SDUC」に規格が分かれるので、容量に合った種類・規格が記載されます。
ちなみにSDUCは最大容量の規格として2018年に生まれたものの、まだ製品化はされていないのだとか。
②容量
SDカード書かれている表記の中で、最もわかりやすいのがこの「容量」でしょう。最大で何GBまでデータを記録できるのかが示されています。だいたいどのカードでも一番大きな文字で書かれていますね。
③スピードクラス
ここからはあまり耳馴染みがないであろう名称が並びます。3番は「スピードクラス」。アルファベットのCの中に数字が書いてある、この謎のマークがスピードクラスと呼ばれるものですが、これはデータ書き込みの最低保証速度を表しています。「最低でもこのスピードは出るよ」ということを保証してくれているもの、つまり速度の”安定性”を示しているイメージですかね。
スピードクラスにはC2(2MB/秒)、C4(4MB/秒)、C6(6MB/秒)、C10(10MB/秒)の4種類あり、これが高ければ高いほど、安定した高速データ転送が可能であることを意味します。
特にカメラでの撮影ではこのスピードクラスが大切。スピードクラスによって画像をSDカードに書き込む時間が変わるため、カメラの連写性能などにも影響してきます。
ちなみにmicroSDカードだと、これがスペースの都合で省略されていることもあるみたいなので、購入の際はご注意を。
④UHSスピードクラス
アルファベットのUの中に数字が書かれているものは「UHSスピードクラス」。前述のスピードクラスよりも、さらに高速転送を可能とする場合に付けられるのがこのUHSスピードクラスです(Ultra High Speedの略)。
これはU1とU3の2種類があり、「UHSスピードクラス1」が10MB/秒、「UHSスピードクラス3」が30MB/秒のデータ書き込みの最低保証速度となっています。
⑤ビデオスピードクラス
さらにアルファベットVの横に数字が書かれたものが「ビデオスピードクラス」です。これは名前から想像がつくとおり、動画撮影の際のデータ書き込みの最低保証速度。V6(6MB/s)、V10(10MB/s)、V30(30MB/s)、V60(60MB/s)、V90(90MB/s)の5種類があります。
動画撮影をよく行う人は、このビデオスピードクラスが高いものを選ぶと良いでしょう。
⑥UHSの規格
アルファベットUの中に数字が書かれている「UHSスピードクラス」を先に説明しましたが、その規格を表すものがここに書かれています。
現在UHSには「UHS-Ⅰ」「UHS-Ⅱ」「UHS-Ⅲ」の3規格が存在していて、それぞれのデータ転送速度はUHS-Iで最高104MB/秒、UHS-IIで最大312MB/秒、UHS-IIIで最大624MB/秒まで対応しています(すべて理論値)。
ただ、現時点で製品化されているのはⅠとⅡだけみたいですね。僕もUHS-ⅡのSDカードも持っていますが、確かにⅡでも転送スピードは爆速です。
なおデバイスによってはUHS-Ⅱには対応していないものもあるので(特に少し古めなデジタルカメラなど)、その点は購入時にご注意を。非対応のデバイスだと、仮にUHS-ⅡのSDカードでも、Ⅰの速度しか出ませんからね。
⑦最大転送速度
7番は「最大データ転送速度」です。先に説明していた各種スピードクラスは「最低保証速度(最低でもこのスピードは出るよ)」ということを保証してくれるものでしたが、ここの数字は「最大転送速度(Maxスピードの値)」になります。両者は似ているけど違うもの。本当にわかりにくいよね笑。
この最大転送速度には「読み込み速度」と「書き込み速度」の2つがあります。この2つの違いは以下の通りです。
- SDカード内のデータを読み取る際の速度。
- この数字が大きいほど、データをPCへ移すときの速度が速くなったり、カメラでの撮影なら背面モニターのプレビュー表示が早くなる。
- 撮影データの現像作業をサクサク進めたいとき大事。
- SDカードにデータを書き込む際の速度。
- この値が高いほど、たとえばカメラでの連写撮影が快適に行える(値が低いと、連写時のデータ書き込みに時間がかかり、撮影間隔が長くなったりする)。
- 連写をするときは90MB以上の最大転送速度のSDカードを選ぶと良い(ビッグカメラ店員さん談)
なお、この最大転送速度の表記に関して1つ注意点を挙げるとするなら、SDカードによっては読み込み速度しか書かれていないケースも多いということです。
親切に「読み込み(READ)◯MB/s、書き込み(WRITE)◯MB/s」と両方書かれているときもあれば、ただ単に「◯MB/s」と数字しか書かれていないものもあるんですよね。数字しか書かれていない場合は、大抵「読み込みの最大転送速度」であることが多いわけですが、この辺りは購入前にパッケージなどで必ず確認した方が良いと思います。
用途別に容量・スピードクラスの選び方の目安をまとめてみた
ここまでSDカードの種類や書かれていることを整理してきましたが、実際に購入する際に「結局自分はどれを選べばいいんじゃい!」という声も聞こえてきそうなので笑、ここからは用途別に選び方の目安を少しまとめてみたいと思います。
必要容量の目安
まずは容量の目安です。機器やデバイスごとに使用可能なSDカードも決まってはいますが、ある程度の用途別の容量の目安を整理すると、以下ようになります。
- ガラケー・ICレコーダーに使いたい場合:16GB以上
- カーナビ・ドライブレコーダーに使いたい場合:32GB以上
- コンデジ・ミラーレス一眼(静止画撮影)・ドローンなどに使いたい:64GB以上
- スマートフォン・ポータブルゲーム機(Nintendo Switchなど)に使いたい:64GB以上
- デジタルオーディオプレイヤーに使いたい:128GB以上
- コンデジ・ミラーレス一眼(動画撮影)に使いたい:128GB以上
ICレコーダーやドライブレコーダーなど、比較的データ容量が小さいものは32GBくらいあれば十分。
一方でゲームデータは1ファイルの容量が大きいことが多いので、64GB以上のSDカードの方が良いでしょう(ゲームはセーブデータは容量が軽いのですが、ゲームソフト本体のデータがかなり重いんですよね…)。

あと注意が必要なのはコンデジ・ミラーレス一眼での利用です。これに関しては「静止画と動画で、どちらを撮ることが多いのか」で適切な容量が変わってきます。
写真・静止画を撮ることが多い場合は64GB程度あれば十分ですが(プロカメラマンさんだと話は別です)、動画となると1ファイルあたりのデータ容量が跳ね上がるので、動画なら最低でも128GB、理想を言えば256GB以上の方が安心でしょう。特に4K動画などを長回しすると、それ1本だけで数十GBもの容量になったりしますから、この辺りは注意が必要です。
ちなみに画像・動画・音楽を保存する場合のデータ容量の目安表を作ってみたので、こちらも参考にしてみてください(あくまで目安ですので、音楽なら1曲の時間などでも結構変わってきます)
用途別の必要容量の目安
16GB | 32GB | 64GB | 128GB | 256GB | |
画像 (2,000万画素) | 約1,600枚 | 約3,250枚 | 約6,550枚 | 約13,100枚 | 約26,200枚 |
動画 (フルHD) | 約2時間 | 約4時間 | 約8時間 | 約16時間 | 約32時間 |
動画 (4K) | 約45分 | 約1時間30分 | 約3時間 | 約6時間 | 約12時間 |
音楽 (MP3) | 約4,000曲 | 約8,000曲 | 約16,000曲 | 約32,000曲 | 約64,000曲 |
スピードクラスの目安
次にスピードクラスの目安ですが、こちらも用途によって選ぶ際の目安が変わってきます。特にカメラで写真を撮ることが多い場合と、動画を撮ることが多い場合では、注目すべき規格自体が変わってくるので、注意が必要です。
- カメラで写真を多く撮る場合:スピードクラス10、UHS-I以上
- カメラで動画(フルHD)を多く撮る場合:ビデオスピードクラスV30以上
- カメラで動画(4K)を多く撮る場合:ビデオスピードクラスV60以上
- スカメラで動画(8K)を多く撮る場合:ビデオスピードクラスV90以上
写真であっても動画であっても、データ書き込みの最低保証速度が高いものがベター。その方が書き込み速度にバラツキが出づらくなり、より安定的・スムーズな撮影が可能になります。

ただ前述の通り、写真と動画で規格が異なるので、購入する際は見るべき場所を間違わないようにご注意を。
おすすめのSDカード3選
最後に、これまで累計50枚以上のSDカードを購入してきた僕がおすすめするSDカードをご紹介したいと思います。
実際に僕が使ったことがあり、信頼できるものに厳選してご紹介したいと思いますので、SDカード初心者さんなどぜひ参考にしてみてください。
1.SanDisk(サンディスク) SDXCカード Extreme 64GB SDSDXV6-064G-GHENN
外部記録媒体といえばSanDisk(サンディスク)。この領域では圧倒的に信頼がおけるブランドで、僕もSDカードをはじめ、外付けSSDなど、個人的にかなりサンディスク製品を利用しています。
このSDカードは読み込み最大速度150MB/s、書き込み最大速度60MB/sとかなりの高速データ転送が可能になっているので、たとえばカメラで連写をしてもサクサクと撮影できます。
僕も普段SONYのフルサイズカメラを使って仕事の撮影をするときなどにこのSDカードを利用していますが、めちゃくちゃ快適に撮影できるので、以前数枚買い足しました笑。
ただ、ビデオスピードクラスはV30(30MB/s)なので、4K動画とかを撮りたい人には少し物足りないかも。そのためカメラで使う場合はスチール中心の人におすすめです(結構このSDカードは人気みたいで、Amazonとかでもよく品切れになることもあるので、見つけた場合はすかさずポチった方が良いかも)。
2.SDカード 128GB SDXC Class10 UHS-I 読取り最大120MB/s SanDisk Ultra SDSDUN4-128G-GHENN
このおすすめSDカードもサンディスク製。先にご紹介したものよりもややスペック的には劣りますが、それでも最大120MB/sの読み込み速度を実現しているので、一般的な用途(趣味での写真撮影、PCなどのデータ保存など)であれば十分過ぎるほどの性能です。もちろん防水・耐衝撃性も高いので、総合的な耐久性能も抜群。
さらにこのSDカードの良いところは、とにかく価格が安い。128GBという大容量のものでも、なんと約2,500円ほどで購入できてしまいます。
Amazonのタイムセールなどもよくかかっているので、セール時なら2,000円を切ってくるほど。ほんとコスパが良すぎるんですよね、このカードは。
なので、そこまでハイスペックなSDカードは必要ない!という人にこのSanDiskのカードはかなりおすすめです。
3.ProGrade Digital(プログレードデジタル)SDXCカード UHS-II V60 GOLD 128GB
サンディスクと並んで、現在SDカードで人気を集めているのがProGrade(プログレード)。読み込み・書き込みのスピードが非常に高性能でコスパも高いため、プロのカメラマンさんやカメラ系人気YouTuberさんたちも、こぞって愛用しているブランドです。
僕はこの「ProGrade Digital(プログレードデジタル)SDXCカード UHS-II V60 GOLD 128GB」を仕事での動画撮影で利用しています。ビデオスピードクラスがV60に対応しているので、4K撮影でも快適。さらに最大読み込み速度も250MB/sと高速なので、撮影した動画データの編集もサクサクできます。
すでに2年ほど使っていますが、これまで一度も読み込み・書き込みエラーなども起きておらず、安定感も抜群。写真撮影だとここまでのスペックは必要ないですが、動画だとこれくらいのスペックがあると安心ですよね。動画撮影用のSDカードを探している方にはかなりおすすめの1枚です。
当ブログの中の人の感想
今回は、「SDカードの種類・違い・用途別の選び方のポイント」などをまとめました。
SDカードって、いざ購入しようとしても、意外と「どれを選べばいいか、よくわからん…」ってなりがちなモノの1つですよね。家電量販店に行ってもたくさん種類が販売されているけど、違いがよくわからなかったり。でも色々なデバイスで必要になるので、選び方を押さえておくのはとても大切。これは自身の経験からも強く言えます。
たとえばカメラを使う人にとっては必需品になるので、「最近カメラを始めた!」という初級者さんなどは、自分の用途に合ったSDカードをうまく見つけてみてくださいね。特に写真中心の人と動画中心の人では、選ぶべきSDカードの種類・スペックがかなり変わってくるので、ぜひ今回の記事の内容を参考にしていただければ幸いです。
- Amazonでお得に買い物するなら… →「Amazonプライム会員」(30日間無料→期間内に退会もOK)がオススメ
- Amazonってお得な“整備品・新古品”が買えるって知ってた? →「Amazon Renewed」で探してみる
- Amazonって学生なら“学割”も効くらしい →「Amazon Student」(まさかの半年間無料)に登録すればOK