【初めてのライカ】今さら「Leica Q」購入・使用レビュー。ライカデビューはこの一台。
カメラ好きな人々の憧れといえば「Leica」。僕も15年ほどカメラを趣味・仕事で使ってきて、「いつかLeicaを!」とずっと恋焦がれていたわけですが、先日ついにLeicaを購入してしまいました。
購入したカメラは「Leica Q」。レンズ固定式のコンデジながら、フルサイズセンサーを積んだスナップに最適なカメラで、レンズはライカの代名詞とも言える「SUMMILUX」の28mm F1.7という大口径単焦点レンズが付いた一台。
少し古いカメラではあるけれど、使ってみてとにかく感動の連続だったので、その使用感などをレビューとしてまとめることにしました。これからライカデビューしたい!という人にも最適なカメラだと思うので、購入の参考になれば幸いです。
- Leicaのカメララインナップ
- Leica Qの特徴
- Leica Qの外観・デザイン
- Leica Qの使用感
- Leica Qが誰に向いているか
Leica(ライカ)について
Leica Qのレビューに入る前に、カメラ初心者さん向けにライカについて簡単にご紹介しておきます。
カメラ好き憧れのメーカー
Leica(ライカ)は、ドイツ・ヴェッツラーに本社を構える老舗の高級カメラメーカー。元々は顕微鏡メーカーだったらしいのですが、その後1869年にエルンスト・ライツ1世がカメラメーカーを設立し、「ライツのカメラ」を意味する「ライカ」に社名を変更したのだとか。
引用:Leica公式HP
すでに設立から150年以上経っている超老舗で、カメラのお値段は気が遠くなるほどに高いですが汗、それでも世界中で愛され続けており、今もなおカメラ好き憧れのメーカーとして君臨しています。
Leicaが愛される理由
そんなライカが愛される理由は何なのか? これは人それぞれで意見諸々はあると思いますが、よく語られるのは以下のような魅力です。
- フィルムを感じさせるような魅力的な写り
- 撮影に集中しやすい良い意味での「不便さ」
- 道具としての筐体デザインの美しさ
- モノとしての質感・クオリティの高さ
- 資産として価値が変わらない
他社ほどの利便性の高さはない。それでも他とは一線を画す、引き込まれるような写りの良さ。そして思わず息を呑むほどの美しいミニマルなデザイン。一度手にしたら愛さずにはいられない、それがライカのカメラでしょう。
Leicaのフィロソフィー
ある種の独自路線をライカは走り続けているわけですが、それを象徴していたのが「ライカとしてのフィロソフィー」なんですよね。写真家の南雲暁彦さんがメーカーさんから聞いたフィロソフィーについて話されていたのですが、それを要約したものが以下のメーカーさんの言葉です。
最後の言葉、すごいよね笑。私たちがやりたいことは『デジタルペインティング』じゃなくて、『フォトグラフィ』なんだって。強いこだわりと意志を持っていないと、こんなパワーワードはなかなか出てきません。
でも、こういったフィロソフィーにも、ユーザーは共感して、ずっとライカを愛し続けているんじゃないかなとも思います。
ただし価格がべらぼうに高ぇ…
ただ、そんなこだわりが詰まったライカのカメラは、とにかく値段が高い。もう、本当に。人気のM型ライカ(後述)の最新機種なんて、余裕で100万円を超えてきます(レンズなんて1本で200万円近くするものも(NOCTILUXとか))。
今回僕が購入した「Leica Q」も、コンデジながら発売当初は50万円以上の価格。今は古くなって中古でしか購入できませんが、それでも発売から8年くらい経過しているのに、まだ中古で30万円台中盤ですからね…。いやはや、価格面では庶民の敵ですわ笑。
Leicaのデジタルカメララインナップ
現在のライカのカメララインナップとしては、以下のような展開になっています。花形はやっぱりM型(ライカMシステム)でしょう。いつか欲しい、高いけど←。
- ライカMシステム(ライカM11、ライカM11モノクローム、ライカM10-R、ライカM10-Pなど)
- ライカSLシステム(ライカSL2、ライカSL2-Sなど)
- ライカSシステム(ライカS3など)
- ライカQシリーズ(ライカQ2、ライカQなど)
- ライカCL/TLシステム(ライカCL、ライカTL2など)
- コンパクトデジタルカメラ(C-LUX、D-LUX、V-LUXなど)
今回購入したのは「Leica Q」
そんなみんなの憧れ、ライカのラインナップの中で、今回僕が購入したのは「Leica Q」です。
レンズ交換ができないコンデジタイプのカメラで、発売は2015年6月。すでに8年が経過している古いカメラですが、いまだに愛用者も多い人気機種。
レンズも28mmの単焦点レンズなので画角の制限はあるものの、コンパクトさ・取り回しのしやすさなどから「最高の旅カメラ」と称されることもしばしばです。
Leica Q はこんなカメラ
コンデジながらライカらしい美しい描写、美しいフォルムのLeica Q。特徴や現状の実売価格、スペックなどをまとめます。
Leica Qの主な特徴
Leica Qの特徴を簡単にまとめると、以下の点が挙げられます。
- 有効画素数約2,400万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載
- 「LEICA MAESTRO II」をベースにLeica Qに最適化した画像処理エンジンを搭載
- 最高10コマ/秒の連写性能
- ISO感度は最高5万まで
- レンズは開放F値1.7の28ミリ単焦点「Leica SUMMILUX f1.7/28mm ASPH.」を搭載
- 最短17センチまで被写体に寄れるマクロモードあり
- 35mm、50mmの画角でも保存ができるクロップ機能あり
- EVFは368万ドット
- 2.5段分の光学式手ぶれ補正機能も搭載
- 背面の右手親指部分にサムレストとして窪みがある
実売価格
先日Leica Q3が発表となり、Leica Qは2世代型落ちのカメラとなりました。もちろんすでにディスコンにもなっているので、現状中古での購入しかできません。
それでも中古価格は前述のとおり35万円前後。状態のいいものなら40万円ほどになります。中古コンデジでこの価格、他社なら新品フルサイズ機のフラグシップモデルすら視野に入ってくる値段ですよね。さすがライカ。
その他スペック
念のため、「Leica Q」のメーカー公表のスペックも下に載せておきます。他製品のカメラや後継機とのスペック比較をしたい方はご参考までにご覧くださいな。
ブランド | Leica |
名称 | LEICA Q Typ 116 |
タイプ | コンパクトデジタルカメラ |
画素数 | 約2,420万画素(有効画素数) |
撮像素子 | フルサイズCMOSセンサー |
画像処理エンジン | 「LEICA MAESTRO II」をベースにLeica Qに最適化 |
感度 | 標準:ISO100~50000 |
記録フォーマット | JPEG/RAW(DNG) |
連写撮影 | 10コマ/秒 |
AF方式 | コントラストAF |
測距点 | 49点 |
顔検出 | ○ |
測光範囲 | マルチ、中央重点、スポット |
シャッタースピード | メカシャッター:30〜1/2000秒 電子シャッター:1/2500〜1/16000秒 |
レンズ | SUMMILUX f1.7/28mm ASPH. |
焦点距離 | 28mm(35mm判換算) |
絞り | F1.7〜16 |
フィルター径 | 49mm |
最短撮影距離 | 通常:30cm マクロモード:17cm |
光学手ぶれ補正 | ○(2.5段分) |
液晶モニター | 3型(インチ)、104万ドット、固定式(タッチパネル対応) |
ファインダー | 368万ドット電子ビューファインダー |
ファインダー倍率 | 0.70倍 |
ローパスフィルターレス | ○ |
撮影枚数 | 約270枚 |
記録メディア | SDカード、SDHCカード、SDXCカード |
スロット | シングル |
防塵防滴 | × |
USB充電 | × |
RAW+JPEG同時記録 | 可能 |
バルブ | ◯ |
RAW | 14bit |
セルフタイマー | 12/2秒 |
インターフェース | マイクロUSB2.0、HDMI |
動画4K対応 | × |
動画記録画素数 | FHD 60fps |
動画ファイル形式 | MP4 |
映像圧縮方式 | MPEG-4 AVC/H.264準拠 |
音声記録方式 | AAC |
Wi-Fi | ◯ |
Bluetooth | × |
サイズ | 130x80x93 mm |
重量 | 640g(バッテリー・メモリーカード含む) |
Leica Q の外観・デザインレビュー
先日カメラのキタムラで購入した「Leica Q」が手元にあるので、次に全体の外観・デザインを見ていきます。
全体
まずは全体の外観から。シンプルで息を呑むほどに美しいフォルム。じっと見つめているだけで、思わず引き込まれてしまいそうになります。
Leica Qは、人気のM型ライカをオマージュしたデザインなので、両サイドが美しい曲線を描いた形に。ドイツのクラフトマンシップを感じさせてくれる素晴らしいデザインです。
ボディはマグネシウム合金で、トップカバーはアルミニウムの削り出しだそう。そのため小型なボディながら質感・モノ感は最高。この重厚感がカメラ好きにはたまらないですね。
サイズはライカMよりも横幅はやや狭め。ただコンデジの中ではかなり大きい・重い部類に入るはずなので、この辺りの好みは分かれるところかもしれませんね。
ちなみにライカの赤バッジは正面から見て右上に付いています。
レンズ
レンズはライカの中でも明るいレンズに冠される「SUMMILUX」。画角は28mm、F値は1.7。とりあえずレンズもデザインがカッコ良すぎる。見ているだけでお酒が呑めそうです笑。
ただ、レンズはボディに比してちょっと大きめ。そのため少し飛び出てる感じはあります。「コンデジはポケットに入らなきゃ!」という人にとっては、この部分はちょっと気になるかもしれません。
なおLeica Qにはマクロモードがあり、レンズのリングを回すことでそれを切り替えることができます。ここのリングのトルク感がヌルッとしていて、作りの良さ・モノ感も完璧。
背面
続いて背面。背面も必要最低限のもののみの構成になっていて、EVF、背面モニター、メニューボタンなどがシンプルに並んでいます。
やや古いカメラながら、EVFは368万ドットもあるので、すごく滑らかで見やすい。ただ背面モニターは3.0型の104万ドットということなので、最新機種を使い慣れている人だと少し物足りなく感じるかも。
あと背面で特徴的なのが、右手親指を置くサムレスト部分。一般的にここって親指がかかるように小さな出っ張りがあることが多いと思うんですけど、Leica Qの場合は逆に大きく凹んでいます。
このデザイン、いいですよね。指はしっかり引っかかるけど、ボディが分厚くならない。流石によく考えられています。
そしてその窪みのすぐ左には、Leica Qを象徴する「クロップボタン」がありました。Leica Qのレンズは先にお伝えした通り28mmの単焦点レンズが装着されていますが、このクロップボタンを押すことで、換算35mm、50mmの画角で撮影・保存することができます。
EVFと背面液晶には35mm、50mm画角のブライトフレームが表示される仕様なので、この辺りもライカらしさを感じさせてくれる。
軍艦部
軍艦部も本当にシンプル・ミニマル。右側に電源・ドライブレバーも兼ねたシャッターボタン、シャッタースピードダイヤル、サムホイール、録画ボタンがあるだけです。でも、それでいい。
側面・底面
最後に側面と底面もさらっと。右側側面にはミニHDMI端子とMicro USB端子穴があり、左側には何もなし。本当に清い。
底面にはバッテリー収納部があり、ここにはSDカードも一緒に入れる仕様になっていました。三脚穴は光軸上に配置されているので、三脚をよく使う人には使いやすい。
以上がLeica Q全体の外観・デザインです。本当にデザイン性が高いし、持った時の質感も素晴らしく、所有欲が満たされます。まぁ、お値段がお値段ですからね、高級感があって当たり前かもしれませんが笑。
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