SONY α7Ⅲとα7Ⅳの主なスペックを表で比較。どんな人が買い替えるべきか、考えてみた。

SONYが『Beyond Basic(新基準)』としてリリースしたフルサイズミラーレス一眼カメラ「α7Ⅳ」。日本発売から早2ヶ月が過ぎましたが、皆さん購入しましたか?
今回は「まだ購入を迷っている!」(←僕です)、「α7Ⅲから乗り換えようか悩んでいる!」(←僕です)という方のために、α7Ⅲとα7Ⅳのスペック比較をしてみました。以前の記事では“速報”としてスペックを書いただけだったので、今回は確定版です。
購入・乗り換えの際の参考にしていただければ幸いです。
この記事を読むと以下の点がわかります。
- α7Ⅲとα7Ⅳのスペックの違い
- α7Ⅳの魅力・メリット
- α7Ⅳの残念なところ・デメリット
- どんな人がα7Ⅳを買った方がいいのか
- どんな人がα7Ⅲからα7Ⅳへ乗り換えるべきなのか
「α7Ⅲ」と「α7Ⅳ」のスペック比較
早速、というかいきなりですが、「α7Ⅲ」と「α7Ⅳ」のスペックの違いを確認すべく、両社を比較してみます。わかりやすいように表形式で以下の通りまとめてみました。
細かなところを含めると結構違いはあるので、今回は主な変更点を中心に整理しています(僕が気になった部分はセルの色を赤くしています)。
項目 | α7Ⅳ(ILCE-7M4) | α7Ⅲ(ILCE-7M3) |
---|---|---|
画像処理 エンジン | BIONS XR | BIONS X |
画素数 | 約3300万画素 | 約2420画素 |
ボディサイズ | 131.3×96.4×79.8mm | 126.9×95.6×73.7mm |
重さ | 約658g | 約650g |
モニター 可動方式 | バリアングル | チルト |
ファインダー 解像度 | 369万ドット | 236万ドット |
液晶モニター 解像度 | 104万ドット | 92万ドット |
測距輝度範囲 | -4~20(F2.0 レンズ) | -3~20(F2.0 レンズ) |
ホワイトバランス センサー | あり | なし |
連写速度 | ~10コマ/秒(圧縮RAW) ~6コマ/秒 (非圧縮RAW) | ~10コマ/秒 |
連続撮影枚数 | RAW:1,000枚以上 RAW+JPEG:1,000枚以上 非圧縮RAW:1,000枚以上 | RAW:89枚 RAW+JPEG:約79枚 非圧縮RAW:40枚 |
タッチ操作 | 対応(メニュー操作、マルチポイント対応) | 対応(メニュー操作、マルチポイント非対応) |
手振れ補正 | 5.5段 アクティブ手ぶれ補正:あり | 5段 アクティブ手ぶれ補正:なし |
記録メディア | SDメモリーカード SDHCメモリーカード(UHS-I/II対応) SDXCメモリーカード(UHS-I/II対応) CFexpress Type Aカード | メモリースティック PRO デュオ メモリースティック PRO-HG デュオ メモリースティック マイクロ(M2) SDメモリーカード SDHCメモリーカード(UHS-I /II対応) SDXCメモリーカード(UHS-I /II対応) microSD メモリーカード microSDHC メモリーカード microSDXC メモリーカード |
USB-C | USB 3.1 Gen2 | USB3.0 |
Wi-Fi | 5GHz対応 | 2.4GHz |
HDMI | タイプA | タイプD |
瞳AF | 静止画:人物、動物、鳥 動画:人物、動物、鳥 | 静止画:人物、動物 動画:なし |
動画記録方式 | MPEG-4 AVC/H.264 MPEG-H HEVC/H.265 | MPEG-4 AVC/H.264 |
動画記録形式 | XAVC S、XAVC S-I、XAVC HS | XAVC S、AVCHD |
カラー サンプリング | 4:2:2 | 4:2:0 |
bit深度 | 10bit | 8bit |
フルHD撮影 | 24P、30P、60p、120P | 24P、30P、60p、120P |
4K撮影 | 24P、30P、60p(Super35mm) 4K30Pは7Kからのオーバーサンプリング | 24P、30p |
動画撮影時 クロップ | 4K 30p:クロップなし 4K 60p:Super35mm(1.5倍クロップ) | 4K 24p:なし 4K 30p:1.6倍クロップ |
連続撮影時間 | 制限なし | 29分59秒 |
ピクチャー プロファイル | PP1〜11 | PP1〜10 |
ブリージング 補正機能 | あり | なし |
フォーカス マップ | あり | なし |
美肌モード | あり | なし |
ピクチャー スタイル | なし | 8種類: トイカメラ、ポップカラー、ポスタリゼーション、 レトロフォト、ソフトハイキー、パートカラー、 ハイコントラストモノクロ、リッチトーンモノクロ |
クリエイティブ スタイル | なし | スタンダード、ビビッド、ニュートラル、クリア、 ディープ、ライト、ポートレート、風景、夕景、 夜景、紅葉、白黒、セピア、スタイルボックス1-6 |
クリエイティブ ルック | ST、PT、NT、VV、VV2、FL、IN、SH、BW、 SE、カスタムルック1-6 | なし |
ライブ ストリーミング | 対応 | 非対応 |
電源OFF時に シャッター幕閉じる | あり | なし |
「α7Ⅳ」のここが良い(購入するメリット)
「α7Ⅳ」はまさに「α7Ⅲからの正統進化」と言えるようなスペックとなっていますが、僕的に“特にここが良い!”と思えるポイント・購入するメリットを以下にまとめてみます(詳細は後述)。
- 画素数が約3,300万画素にアップしたことで、より精細な画が撮れる。
- ファインダーの解像度が369万ドットになったことで、撮影体験がさらに向上。
- 記録方式「4:4:2 10bit」に対応したことで、動画編集時のカラーグレーディングがやりやすくなった。
- 連続撮影時間において「30分制限」が撤廃されたことで、動画の長回しができるようになった。
- フォーカスブリージング補正機能が搭載されたことで、動画撮影時の画角の乱れが気になりにくくなった。
画素数が約3,300万画素にアップ
「α7Ⅳ」では画素数が約3,300万画素にアップしており、より精細な画が撮れるようになりました。この点はスチールメインの人であれば大きな魅力・メリットでしょう。

引用:Amazon
特に紙媒体への印刷においては高画素であることはかなりの利点。
またWebやSNSに使う場合でも、高画素だとクロップ耐性が高い(現像・編集時に画質を劣化させずに好きなところでトリミングしやすい)ので、画素数のアップを喜んでいるユーザーは多いのではないでしょうか。
ファインダーの解像度が369万ドットにアップ
ファインダーも「α7Ⅲ」からパワーアップしており、解像度は369万ドットに変更されています。これもスチールメインの人には嬉しいポイント。
僕は仕事で「α7Ⅲ」を使っていて、その時はそれほどファインダーの画質は気になっていなかったのですが、いざ店頭で「α7Ⅳ」のファインダーを覗いてみたら全然違ったんですよね。すごく綺麗だった。
特にピーキング表示がよりわかりやすくなったので、MF撮影時のピント外しが減り、歩留まりが良くなるのは間違いなし。オールドレンズをよく使う人にもすごくありがたいでしょうね。
記録方式「4:4:2 10bit」に対応
また「α7Ⅳ」はカラーサンプリングが「4:4:2」、bit深度は「10bit」に対応。これによって動画編集時のカラーコレクションやカラーグレーディングもしやすくなりました。
「α7Ⅳ」を動画機として使いたいという人には、ここは非常に大きい購入メリット。

引用:SONY公式HP
「α7Ⅲ」だと「4:4:0 8bit」だったので映像の色情報が少なく、ちょっと色をいじろうとするとすぐ白飛び・黒つぶれしたり、自分の好みの色にしづらかったんですよね(特に人の肌の色は本当に調整が難しかった)。この点が改善されるのはかなり大きいでしょう。
連続撮影時間の「30分制限」が撤廃
あと動画に関してのメリットとしては、連続撮影時間の「30分制限」が撤廃されている点も嬉しいポイント。
これまでのミラーレス一眼カメラは、動画を長回ししようとしても最大で「29分59秒」までしか撮れないものが多かったんですが(もちろん「α7Ⅲ」もそれに含まれます)、「α7Ⅳ」は時間の制限なく動画が撮影できます。
インタビューや対談の動画撮影とかになると、普通に1時間とかずっとカメラを回し続けないといけないことも多いので、仕事で使う場合はこの30分制限撤廃はありがたい(ただプライベートで使う人にはあまり関係ないかもしれませんが)。
フォーカスブリージング補正機能が搭載
さらにこれまた動画メインで使う人には嬉しい機能「フォーカスブリージング補正機能」もα7Ⅳには搭載されました。
レンズによってはフォーカスブリージング(ピント位置が移動する際に画角が変わってしまう現象)がひどいものもあるんですけど、それをカメラ本体側で補正してくれるわけですね。
僕はSONY公式の動画でその機能を見たときに、思わず「すげぇっ!」って呟いちゃいましたよ笑。

引用:YouTube「Sony|Camera Channel」
スチールの時は正直フォーカスブリージングってあんまり関係ないかなと思うんですけど、動画だとこれはかなり気になるんです。必要な情報が映像の中から切れちゃうことだってありますからね。
カメラ本体側で強制的にブリージングを抑えるって結構荒技な気もしますが笑、映像クリエイターさんはすごく嬉しい機能だと思うので、これはなかなかの購入メリットなのではないでしょうか。
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