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【長期使用レビュー】MFレンズをAF化するTECHART「LM-EA9 MarkII」。率直な使用感・気になる点をまとめてみた。

TECHART「LM-EA9 MarkII」
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TECHART「LM-EA9 MarkII」は、ライカMマウントレンズをソニーEマウントのカメラでAF動作させる電子マウントアダプター。

僕はプライベートではオールドレンズを使ってよくカメラ遊びをしているのですが、その時に便利なこのTECHART「LM-EA9 MarkII」を時々使用しています。

購入してからだいぶ時間が経っているのですが、まだレビューしていなかったことに先日気づきまして汗。なのでこのカメラアクセサリーの良かった点・気になる点含め、今回使用レビューを綴ることにしました。

「マニュアルフォーカスでの撮影が難しい!」と感じている方や「オールドレンズでもAFが使いたい!」という方の参考になれば幸いです。

この記事を読むとわかること

  • TECHARTについて
  • 電子マウントアダプター「LM-EA9 MarkII」の特徴
  • 電子マウントアダプター「LM-EA9 MarkII」の外観・デザイン
  • 電子マウントアダプター「LM-EA9 MarkII」の使用感
  • 電子マウントアダプター「LM-EA9 MarkII」の気になるところ

TECHART「LM-EA9 MarkII」はこんなアイテム

まずは今回購入したTECHARTの電子マウントアダプター「LM-EA9 MarkII」の特徴・価格・仕様等を整理しておきます。

メーカーについて

電子マウントアダプター「LM-EA9 MarkII」はTECHARTが製造しています。カメラ好きな方なら知っている方も多いでしょうか。

電子マウントアダプターの新興メーカーの開発グループが立ち上げたブランドらしいのですが、ここってイマイチ会社の情報が見つからないんですよね。どこの国の会社さんなんだろうか。

でも日本では焦点工房が正規代理店として販売しているので、会社の信頼度としては全く問題はなさそう。

主な特徴

そんなTECHARTから発売されている「LM-EA9 MarkII」ですが、主な特徴をまとめると、以下のとおりです。

TECHART「LM-EA9 MarkII」の主な特徴

  • ライカMマウントレンズをソニーEマウントのカメラでAF動作させる電子マウントアダプター。
  • AF-S、AF-C、顔検出、瞳AFに対応。
  • モーターを4つ搭載した新しい駆動ユニットにより、前モデル(LM-EA7)よりも高い耐久性と静粛性を実現。
  • カメラケースやレンズと干渉しにくいリング状のスマートなデザイン。
  • レンズの最短撮影距離を短縮(可動部分の繰り出し量:4.5mm)。
  • USB DOCKからファームウェアアップデートが可能。
  • 設定した焦点距離(24種)を、Exifデータに記録可能。
  • アダプター内部の植毛加工により内面反射を抑制。

TECHART「LM-EA9 MarkII」

一般的なライカMマウント→ソニーEマウント変換のマウントアダプターって単なる「マウントの変換器」みたいなものなので、当然ですがそれをつけたからといってライカMマウントレンズでオートフォーカスが使えるようにはなりません。

でもTECHART「LM-EA9 MarkII」なら、元々MF専用のライカMマウントレンズでもAFが使えるようになるんです。

しかもさらに別のマウントアダプターを噛ませれば、ライカMだけでなくM42やミノルタMDマウントなどのオールドレンズだってオートフォーカス化できちゃう。「マニュアルフォーカス難しいから苦手…」なユーザーさん歓喜!

TECHART「LM-EA9 MarkII」

仕組みとしては、カメラボディ側のオートフォーカス機能を使って、マウントアダプターを繰り出す形で焦点を合わせるみたい。ある種かなり力技な方法ではありますが笑、面白い発想ですよね。

対応マウント

なお、前述のとおりLM-EA9 MarkIIの対応マウントは「ライカMマウント→ソニーEマウント変換」となっています。加えて、対応可能なカメラボディも決まっているようなので、以下に表にまとめておきました。

皆さんがお持ちのカメラボディが対応しているか、購入前に確認してみてくださいな。

カメラボディ側マウント
レンズ側マウント
対応カメラボディ
SONY EマウントライカMマウント
※ただし、別売りのマウントアダプターを組み合わせることで、
ライカL39
ライカR
ニコンF
キヤノンEF
オリンパスOM
エキザクタ
M42
ヤシカコンタックス
ミノルタMD/MC
ペンタックスKマウント
のMFレンズもAF化可能。
α1
α9III
α9 II
α9
α7RV
α7R IV
α7 IV
α7S III
α7R III
α7 III
α7CII
α7C
α7R II
α7CR
α7 II
α6700
α6600
α6500
α6400
α6300
α6100

サイズ・重量

なおLM-EA9 MarkIIのサイズですが、大きさは直径約68×厚み約18mm、重量が約130gとなっています。

TECHART「LM-EA9 MarkII」はやや重い

厚みとしては一般的なマウントアダプターとほぼ同じくらいでしょうか(下の画像はiPhone13 miniと「LM-EA9 MarkII」を並べて薄さを比較した様子)。中にモーターが入っていることを考えると、結構薄いんじゃないだろうか。

TECHART「LM-EA9 MarkII」とiPhone13 miniで薄さを比べた様子

ただ、モーターがある分、重量はやや重め。手で持ってみても、少しずっしり感じます。

その他主な仕様

そのほか「LM-EA9 MarkII」のメーカー公表の仕様も下に載せておきます。参考までにご覧くださいな。

ブランドTECHART
型番LM-EA9
サイズ直径約68×厚み約18mm
重量約130g
稼働部分の繰り出し量4.5cm
カラー展開1色(ブラック)

TECHART「LM-EA9 MarkII」の外観・デザインレビュー

特徴等を整理した後は、TECHART「LM-EA9 MarkII」の全体の外観・デザインを見ていきます。

同梱物

パッケージはすでに捨ててしまっていたようでなかったのですが、同梱物としては以下のものが入っていました。

TECHART「LM-EA9 MarkII」の同梱物

  • LM-EA9 MarkII本体
  • リアキャップ
  • フロントキャップ
  • 取扱説明書
  • 保証書

本体

続いて続いて本体の外観デザインを見ていきます。全体はこんな感じ。全て金属製でプラスチックは使われていないので、なかなか剛性感高め。

TECHART「LM-EA9 MarkII」のレンズ側
TECHART「LM-EA9 MarkII」カメラボディ側

カラーはツートーンになっていて、カメラボディ側がシルバー、レンズ側がブラックになっています。ブラックのカラー部分には小さめに「ETCHART」の文字が。

TECHART「LM-EA9 MarkII」は金属製

全体が金属でできているからか、見た目としての高級感があります。プラスチック製のマウントアダプターって少し安っぽく感じますけど、LM-EA9 MarkIIは剛性感高くて所有欲が満たされますね。触ってもひんやりとした冷たさを感じる。

TECHART「LM-EA9 MarkII」はモーターが内蔵されている

中にモーターが入っていることを考えると、かなり薄く設計されている気もします。この辺りも高ポイント。

フロント・リアキャップ

本製品にはフロントキャップ・リアキャップが付属してきます。前述の通り、これらもすべて金属製なので、つくりは良いし高級感あり。ただ金属製がゆえにちょっと重さは感じるかも。

TECHART「LM-EA9 MarkII」のフロントキャップ
TECHART「LM-EA9 MarkII」のリアキャップ

リアキャップは本体のファームウェアアップデートにも使います。なのでもちろん裏面には電子接点あり。

TECHART「LM-EA9 MarkII」のリアキャップの電子接点部分

ただ1つ残念なのは、アップデートに使う端子穴がMicro USBなんですよね…。今の時代、正直これはなかなか厳しい。

TECHART「LM-EA9 MarkII」のリアキャップに空いている端子穴はMicro USB

本体・キャップともにデザイン的にはコンパクトで高級感もあっていいんですけど、端子穴のMicro USBだけがちょっと気になる感じですかね。

TECHART「LM-EA9 MarkII」の使用レビュー

全体外観・デザインをチェックした後は、実際にTECHART「LM-EA9 MarkII」を使った使用感をまとめていきます。

今回は僕が普段よく使用しているSONY「α7Ⅳ」にLM-EA9 MarkIIを取り付けた時のレビューです。

カメラボディへの取り付け

LM-EA9 MarkIIの取り付け方は簡単で、一般的なマウントアダプターと同様、カメラ取り付け指標とレンズ着脱指標を合わせてアダプターをねじ込むだけ。

TECHART「LM-EA9 MarkII」はカメラに装着してもガタつかない

個体差があると思いますが、僕の場合は少し固くてねじ込むときに力が入ります。でも最後までねじ込んでカチッと音が鳴ると、かなりしっかり固定されて、ガタつきも全くありません。

安い中華製のマウントアダプターとかだと、カメラボディに取り付けてもガタガタ揺れたりすることもありますが、その辺は問題なしです。

レンズの取り付け

続いてレンズの取り付け。今回はMマウントのオールドレンズ「M-ROKKOR 28mm f2.8」を選んでみました。実際に取り付けた様子がこちら。

TECHART「LM-EA9 MarkII」をα7Ⅳに装着した様子
TECHART「LM-EA9 MarkII」をα7Ⅳに装着した様子

なかなかかっこいいでしょ? LM-EA9 MarkIIはなかなか薄型なので、カメラに取り付けても主張が少なくていい感じ。

レンズ側も全然ガタつきはなくて、かなりマウント部の精度は高いと思う。これなら安心して取り付けられますね。

TECHART「LM-EA9 MarkII」をα7Ⅳに装着した様子

オートフォーカスの正確性

そしてここからは肝心の性能の話に入っていきますが、まずは大事なオートフォーカスの正確性についてです。

TECHART「LM-EA9 MarkII」を購入してから結構使用しているので、素直な感想を忖度なしでお伝えすると、オートフォーカスの精度は“まずまず”といったところです。

TECHART「LM-EA9 MarkII」をα7Ⅳに装着した様子

AF-S、AF-C、顔検出、瞳AFに対応しているものの、正直ビシッとフォーカスが合うわけではなく、ちょこちょこ迷います。ただ最終的には狙ったところはある程度捉えてくれる感じ。

まぁ、この辺りの精度はある程度目を瞑らなきゃいけないところでしょうね、仕組みが仕組みですから笑(下の写真は実際にLM-EA9 MarkIIを使用して撮影したもの)。


それでもMFで細かく合わせにいくよりははるかに楽にピント合わせができるので、十分使う価値はあると思います。LM-EA9 MarkIIで大方フォーカスを合わせて、あとは手動のマニュアルフォーカスで微調整する、とかの使い方もできますしね。

ちなみにピントが合いにくい時は、カメラのフォーカスモードをシングルAFに設定するともう少し改善するみたいなので(公式談)、「うまくピントが合わん!」という方はカメラ側のフォーカス設定をちょっといじってみてくださいな。


ただ、前述のとおり基本的にこのアダプターは合焦速度・精度などはカメラ本体のAF性能に依存します。

僕の場合、AFが強いα7Ⅳで使用していてこの精度なので、もっと古いボディの場合は精度がさらに落ちる可能性が高そう。この辺りは注意点ですね。

オートフォーカスのスピード

LM-EA9 MarkIIのオートフォーカスのスピードに関しては、正直あまり早くはありません。何度かガコガコっとアダプターが前後して、ようやくフォーカスが合う感じ。

そういう意味では、マニュアルフォーカスに慣れた人だったら手動でピント合わせした方が早いかもしれません笑。

TECHART「LM-EA9 MarkII」

また先にお伝えしているとおり、古いカメラボディを使うとさらに遅くなる可能性もあります。なのでLM-EA9 MarkIIにフォーカススピードを求めるのは難しいですね。

オートフォーカス時の静音性

続いてオートフォーカス時の音についてですが、そこそこ鳴ります。

やはり繰り出し式で無理くりフォーカスを合わせにいくので、どうしてもアダプターが動くときに「ガコガコッ」という音が目立ちますね。これはある程度しょうがないでしょう(これでも前モデルより改善しているらしいけど)。

個人的には音はあまり気にならないのですが、「静かな場所でLM-EA9 MarkIIを使いたい!」という人にとっては少し注意が必要です。

携帯性(サイズ・重量感)

最後に携帯性についても触れておきます。先にお伝えしているとおり、LM-EA9 MarkIIはサイズこそそれほど大きくはないものの、重量は約130gと結構あります。

中にモーターが入ってますからね、これもしょうがないところでしょう。

TECHART「LM-EA9 MarkII」

なので決して携帯性抜群!というような代物ではなく、長時間使っているとジワジワとこの重さが効いてくる印象でした。

でもまぁオールドレンズの場合は比較的小型・軽量なものも多いので、それらと組み合わせて使うのであれば許容範囲かもしれませんね。

僕は「軽いは正義」が信条な人間なので、携帯性に関しては“良くはないけど、悪くもない”くらいの感想かなぁ。

気になる点

以上がLM-EA9 MarkIIを実際に使っている僕の感想・使用レビューですが、その他に少し気になる点もあるので、そこも簡単にまとめておきます。

LM-EA9 MarkIIの気になる点

  • 動画撮影モードではオートフォーカスは使用できない。
  • 重いレンズでの使用は注意が必要(重量500gを超えるレンズに使用すると、故障や動作不良の原因となる場合がある)。
  • カメラのバッテリーがやや減りやすくなる(カメラ側のバッテリーを使用して駆動するため)。

TECHART「LM-EA9 MarkII」をオールドレンズと一緒に使ってみた

以上の3点が少し気になる点ですね。特に「動画撮影ではAF化できない」というところは要注意。

「オールドレンズで動画を撮るときに使いたい!」という人も中にはいると思いますが、LM-EA9 MarkIIではそれは叶いません。後継機に期待しておきましょう。

総評(良かった点・気になった点)

こうやって文字にして使用感を振り返ってみると、正直なところ「便利は便利だけど、弱い部分も結構多いアダプターだったんだなぁ」という印象が残りますね笑。

でも「MFのレンズをAF化する」というこの狙いや発想って魅力的じゃないですか。そしてそれを技術の力で実現しようと頑張っている、その点がすごく素晴らしいし、TECHARTという会社を応援したくなりますよね。

個人的にはこれからもオールドレンズのお供として使っていきたいアダプターです。

TECHART「LM-EA9 MarkII」の価格

最後にTECHART「LM-EA9 MarkII」の実売価格をお伝えしておくと、2025年1月時点で56,700円(税込)となっています。どうでしょう? 高いですかね? 僕は正直高いと思います笑。

この値段だと、APS-C用のレンズならちょっと良いやつが買えてしまいますからね。なのでみんながみんな手を出しやすいモノではないので、もし中古が出回っていたらそっちを購入した方がいいかもしれません。

メルカリやヤフオクなどで時々見かけるので、購入を検討している人はまずそっちをチェックするのがおすすめです。自分で購入しておいてこんなこと言うのも変な話だけど、やっぱ5万円はさすがに高いよね笑。

このアダプターが向いている人・向いていない人

改めてTECHART「LM-EA9 MarkII」の良いところ・悪いところを踏まえながら、「このマウントアダプターが向いている人・向いていない人」という視点で、以下に整理してみました。

このマウントアダプターが向いている人

  • オールドレンズなどをよく使う人
  • MFが苦手な人
このマウントアダプターが向いていない人

  • オートフォーカスのスピード・静音性を重視する人
  • 動画撮影が中心な人

当ブログの中の人の感想

今回はTECHART「LM-EA9 MarkII」の使用レビューを綴りました。

冒頭でもお伝えしたとおり、僕はオールドレンズ遊びが大好きな人間ですが、LM-EA9 MarkIIを使ってみて、さらに撮影が楽しくなった気がします。

もちろんまだこのアダプター自体の精度・フォーカススピードなどは完璧ではありませんが、ピントを外してしまう率は減った気がしますし、より気楽にオールドレンズを持ち出せるようになったような感じもします。

「MFってどうしても苦手なんだよな…」という人は、ぜひ一度LM-EA9 MarkIIを試してみてくださいね。

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