Ulanziのコンパクトなカーボン三脚「MT-20」を使ってみたら、めちゃくちゃ軽くて旅行のお供に最適だった。

カメラを持って旅行や遠出をするときに、いつも悩むのが「三脚を持っていくか問題」。三脚って意外と嵩張るし重たいから、ついつい優先順位が下がってしまう僕ですが、三脚がないと撮れない写真もあるので(星景写真など)、今回新しく三脚を購入してみました。
買ったのはUlanziの「MT-20」。この三脚はカーボン製のコンパクトなトラベル三脚で、剛性も高く、何より軽量。それでいてお値段も1万円以下とお手頃価格なのが特徴です。
実際に使ってみて、なかなかお気に入りの三脚になったので、今回はこのUlanzi MT-20の使用レビューを綴りたいと思います。
旅行や登山に持っていくコンパクトな三脚を探している方の参考になれば幸いです。
- Ulanziについて
- Ulanzi MT-20の特徴
- Ulanzi MT-20の外観・使用感
- Ulanzi MT-20の気になるところ
Ulanzi MT-20はこんなトラベル三脚
まずは今回購入したUlanzi MT-20の特徴・仕様等を整理しておきます。
Ulanziについて
実際の製品レビューに入る前に、メーカーであるUlanziについて簡単にご紹介しておきます。カメラ好きな方ならUlanziはほとんどご存知かと思いますが。
Ulanziは中国深圳に拠点を置く企業で、設立は2015年。主にカメラアクセサリーの設計と製造を行っています(Ulanziの読み方は「ウランジ」です)。

引用:Ulanzi公式Webサイト
「Ulanzi」は社名だけでなくブランド名にもなっていますが、そのほか「VIJIM」、「FALCAM」という別ブランドも展開していて、三脚・照明・マイク・クイックリリースアクセサリーなど、色々な撮影機材・カメラアクセサリーを展開しています。僕も結構前からストラップや杭ックリリースプレートなどのUlanzi製品をよく使っていますね。

ちなみにWebでUlanziを検索すると、いまだに「Ulanziは信用できない中国企業だ」というような声が散見されるのですが、製品自体には全く問題なく、逆にかなり良い製品がどんどんリリースされてきています。
カメラアクセサリー業界の中でもむしろ信頼度は高い方なので、安心して購入してOKなメーカーさんです。
製品の主な特徴
そんなUlanziから販売されている「MT-20」ですが、主な特徴をあげると以下の通りとなります。
- コンパクトで持ち運びしやすいトラベル三脚
- カーボン素材だから軽量で剛性も高い
- コンパクトながら耐荷重3kgで、ほとんどのカメラに使用可能
- 360度パノラマ雲台で自由に角度を調節可能
- アルカスイスプレート付きでカメラの着脱も簡単
- 脚の伸縮は回転式で、高さの調節もしやすい
- 3段の脚の伸縮に加え、付属ポールでプラス3段分の高さを延長可能
- それでいて実売価格は1万円以下と安価

Ulanzi MT-20は、コンパクトで旅行や登山などでも持って行きやすい便利なトラベル三脚。素材もカーボンだからすごく軽くて、それでいて耐荷重3kgとカメラを支える力もなかなか。
重たくてついつい三脚を持ち運ばなくなりがちな僕にとって、Ulanzi MT-20のこの小型・軽量な点と剛性の高さはかなり魅力なのでした。旅行に持って行くときとか、本当にピッタリな三脚です。
サイズ・重量
気になるサイズとしては、長さが26.5(収納時)〜71.4cm(最大使用時)。一番コンパクトな状態だと30cmを切るわけですからね、これなら持ち運びしやすいわけだ。

また重さは約490g(本体+延長ロッド)と軽量。やっぱりカーボン素材だと軽いですね。僕はこれまでアルミの三脚しか使ってこなかったので、それと比べると持った時の感覚がだいぶ違います。

実売価格
そしてこの三脚、実は値段も結構安くて定価14,500円ほど。かつAmazonでは良くタイムセールにもなってて、その時は1万円以下まで値下げされることもしばしば。カーボン素材の三脚でこ値段はなかなか見かけないですよね。
僕もAmazonタイムセールの時に購入したんですけど、購入価格はまさかの8千円くらいでした。安過ぎ。
なのでUlanzi MT-20が気になってる人は、Amazonなどのセール時を狙うのがおすすめです。
その他主な仕様
念のため、Ulanzi MT-20のメーカー公表の仕様を載せておきます。他メーカーの三脚と比較する際の参考になれば幸いです。
| ブランド | Ulanzi |
| 製品名 | MT-20 |
| 素材 | カーボンファイバー |
| セクション | 3 |
| 最大パイプ径/最小パイプ径 | 16mm/10mm |
| 重量 | 約490g(本体+延長ロッド) |
| サイズ | 折りたたんだ高さ:265mm、最小高さ:124mm、最大高さ:714mm |
| 耐荷重 | 3kg |
| カラー展開 | 1色(ブラック) |
Ulanzi MT-20の外観・デザインレビュー
特徴等を整理した後は、Ulanzi MT-20の全体の外観・デザインを見ていきます。
全体デザイン
まずは全体のデザインから。前述の通りサイズ感はとってもコンパクト。でもカーボン素材だけあって、質感が非常に良く、パッとみた感じも安っぽさはありません。

雲台の下のところはUlanzi製品らしく赤いラインが入っています。個人的にはUlanziのこの赤い装飾ってあんまり好みじゃないんですが、まぁそれほど目立つものでもないので良しとしましょう。
脚・センターポール
パーツ別にもう少し細かくデザインを見ていきます。脚とセンターポールの部分に関しては、グレーの斜めラインがデザインとして入っています。ここも好みが分かれるところですが、個人的には無地のブラックがよかったかも。

長さを調整部分はしっかりとした金属素材。触るとヒヤッとした感触。

地面と接する部分は硬めのゴム素材ですが、強度はなかなかありそうです。

なお、脚の開脚角度を調整する箇所だけカラーがシルバーになっています。ここも個人的には黒でも良かった気がしますが、シルバーの方が視認性が高くなる気もするので、これはこれでアリか。

雲台
続いて雲台ですが、雲台はボール雲台タイプ。全体的にマットブラックのカラーリングで、渋い。

こちらも金属の質感・モノ感がすごく良くて、剛性の高さが触っただけでも良く伝わってきます。
ただ正面のところに「Ulanzi」の文字ロゴがガッツリ入っていたり、雲台下部分の赤いラインの装飾がやや目立ったりするので、デザイン的にはその辺りが気になる人もいるかも。

側面にはコールドシューマウントもあり。フラッシュやマイクを使う時などにこれは便利ですね。

上部のクイックリリースプレート部分は一般的な形状。1/4インチのネジが付いたアルカスイスQRプレートが付属しているので、ほとんどのカメラが装着可能です。

全体的に非常に質感が良くて、所有欲が満たされます。いいですね。
収納バッグ
あとこのUlanzi MT-20には収納用のバッグもついてきます。本当に三脚ジャストサイズの大きさで、フタはマジックテープで止めるタイプ。開け閉めしやすくて個人的には好きです。

裏側にはベルトループがあったり、ぶら下げて持ち運ぶためのリングが付いていたり。また内部には延長ポールをしまっておく小さなポケットまで付いています。なかなか気の利いた作りですよね。

Ulanzi MT-20の使用感レビュー
全体外観・デザインをチェックした後は、実際にUlanzi MT-20を使った使用感をまとめていきます。
カメラの取り付け
最初にカメラの取り付けやすさをチェック。今回は僕が普段よく使用しているSONY α7ⅣをMT-20に取り付けてみます。
付属のクイックリリースプレートをα7Ⅳの底面に装着して、三脚にセットしてみます。プレートを差し込んで、固定用のつまみを捻る。

うん、スムーズに取り付けられました。つまみ部分の剛性もかなり良くて、ギュッと固く締まります。またプレートセット時は変な引っかかりもなく、かつ緩みもないので、かなりしっかり固定できる。いいね。
雲台(角度調節)
続いて雲台部分の使いやすさをチェック。横方向の回転(パン)に関しては、丸いつまみを回すと緩めたり締めたりできます。ここの作りはかなりしっかりしていて、クイックリリース部分と同様にしっかり固定できます。

ボール部分の角度調整も問題なし。ちなみにこのボール部分の締め付け強度は、三脚によって結構弱いものも多いですよね(特にコンパクトな三脚の場合)。でもMT-20はここも結構強く締め付けることができました。
今回レビューするにあたっては、SONY α7Ⅳ(658g)にSIGMA 85mm F1.4 DG DN Art(625g)をつけた状態で三脚に固定してみたんです(下の画像参照)。


この組み合わせだと、コンパクトな三脚で支えるにしてはまぁまぁの重さになるわけですが、それでもカメラが傾いたり、レンズ側が下がってしまうこともなく、水平をキープできました。
僕がこれまで使用していたベルボンのトラベル三脚だと、結構重めのレンズを使うと傾いてしまうことも多かったので、この点はすごく嬉しかったですね。よき。
脚(高さ調節)
MT-20の脚の長さを調節するときは、くるりと脚を回転させればOK。このクルクル回して脚を伸縮させるタイプが楽なので、僕は好き。ここの剛性もかなりしっかりしています。

脚の角度調節は根本についているシルバーのピンを引っ張りながら行う仕様。ここが少し固い気もする。ただその方が何かの拍子に角度が変わってしまうなどのトラブルも起こりづらいからいいのかも。


全ての脚を完全に開いた状態だと、こんな感じ。かなり大きく脚が開くので、カメラの位置を相当低くできます(実測で地上から約●cmあたりまでカメラを下げられる)。ローアングルの撮影にも便利ですね。


脚を最大に伸ばし、センターポールもつけると、地上から約70cmの位置までカメラを持ってくることができます。仕事で使うには高さが足りないと思いますが、旅行などであれば十分な高さでしょう。

ただ、MT-20は脚が細い三脚なので、最大まで伸ばした状態だとちょっと不安定かも。屋内であれば問題ないですが、外で使う時には横風の影響でグラグラしそうです。
なので高さを出して使うときは、なるべく手で補助をしてあげた方がいいでしょうね。
持ち運びやすさ
続いて持ち運びやすさ。今回千葉の成田山方面に旅行に行った際にMT-20を持っていったのですが、とにかく軽くて全然負担になりませんでした。この軽量さはかなり嬉しい。さすがカーボン。
また小型・コンパクトにまとまるので、日常使いサイズのバックパックでも楽々と収納できました。専用ケースもあるので、カバンに雑に入れていても他の持ち物を傷つけることもない。

さらに小さいカメラバッグに括り付けてもバランスがとりやすいのがありがたい。たとえば僕は軽量装備の時はピークデザインの「エブリデイ スリング 6L」で出掛けることも多いんですけど、このコンパクトなスリングタイプのカメラバッグでもバランスを崩さずにMT-20を括りつけられます。
やっぱり「軽い・小さいは正義」ですね。かなり持ち運びやすい三脚だと感じました。ここがMT-20の最大の強みでしょうね。
少し気になったところ
ここまでUlanzi MT-20の使用レビューをつらつらと綴ってきましたが、実際に使ってみて少し気になったところもあったので、それについても触れておきます。
場面によってはやっぱり高さが足りない
まず1つめは「使う場面によっては高さが足りない」ところ。まぁこれは買う前からわかっていたことではあるので、いまさら「気になる」なんていうのもおかしいとは思うんですけど笑。

MT-20は最大まで伸ばしても高さが70cm強までしか伸びません。旅行中の風景写真とかを撮る分にはこれくらいで問題ない。
ただ、たとえば前にちょっと邪魔なものがあって、それを避けて撮影したいなという時とかは、もうちょっと高さを出したいじゃないですか。そういう場面だとさすがに70cmは低いんですよね。
これはコンパクト・軽量さとのトレードオフな部分でもあると思うので致し方ないとは思うものの、欲をいうともう少し高さが出せたら嬉しいなとは思いました。
若干横風にやや弱い
あともう1つは「少し横風に弱い」点でしょうか。MT-20は軽量・コンパクト設計のトラベル三脚なので、どうしても脚やセンターポールが細めな作りになっています。

そのため高さを最大まで伸ばしたりすると、風が吹いた時にちょっとグラつくんですよね。
まぁ少し手で支えてあげれば問題ないんですけど、手を使わずともしっかり安定していてもらいたい!という人は、MT-20はあまり向いてないかもしれません。あと安定感が重要な星景写真撮影とかも向いてないと思う。
あくまでこの三脚は「旅先のちょっとした撮影に使うのに便利」という位置付けだと思うので、外での大事な仕事に使う!というときは、骨太な別の三脚を使うべきでしょうね。
総評
以上がUlanzi MT-20を実際に使ってみて感じた使用感レビューです。若干高さや安定感で気になったところはあったものの、全体の作りの良さ(剛性の高さ)・軽さは本当に最高でした。
特に「軽いは正義」を信条としている僕にとって、重量が500gを切ってくるのは本当にありがたい。旅行のお供として完璧です。
これだけ軽いと気楽に持ち出せるので、撮影機会ももっと増やせそう。個人的に大満足な三脚でした。
Ulanzi MT-20が誰に向いているか
それでは最後にまとめとして、改めてUlanzi MT-20の良いところ・悪いところを踏まえながら、「このトラベル三脚が向いている人・向いていない人」という視点で、以下に整理してみました。
- 「軽いは正義」な人
- 旅先でよくカメラを使う人
- コスパの高いアイテムが好きな人
- 三脚に抜群の安定性を求める人
- 高さが出せる三脚がいい人
当ブログの中の人の感想
今回はUlanzi MT-20の購入・使用レビューを綴りました。
冒頭でもお話しした通り、三脚って大きい・重いとそれだけで持ち出すのが億劫になりがち。なので軽量・コンパクトであることって本当に大事だと思うわけですが、Ulanzi MT-20はまさにその点が最高な三脚でした。
本当に軽いので、パッと鞄に放り込んでいても全然負担にならない。これがあれば旅行がさらに楽しくなりそうです。
軽くて剛性の高い三脚を探している人は、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
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